ジュエリー会社における効率的な利益管理

2023/07/10 収支管理 古谷 幸治
ジュエリー会社における効率的な利益管理

先日ジュエリー会社の社長さんと、「あるべき経営管理」について情報交換をしてきました。

本稿では、ジュエリー会社のプロジェクト管理会計についてお話をしたいと思います。

ジュエリー会社のビジネスモデルとは?

ジュエリー会社は物品販売業と同時にサービス業でもあります。

いろいろとお話している中で事業の分類が明確になってきました。

まず、ジュエリー売上を以下の3つに分類しました。

  • ジュエリーの販売(本社)
  • ジュエリーの販売(催事)
  • リフォームの受注 など

売上だけでなく、受注金額の集計も可能です。売上金額の集計に関しては、顧客別および商品別に把握し、仕入れ費用を差し引いた粗利益集計を算出します。

また、原価の大きな要素である販売員の工数分類をすると、以下のようになります。

  • 清掃(無償)
  • 販促活動(無償)
  • 在庫管理(無償)
  • 本社販売(有償) ※日毎
  • 催事販売(有償) ※日毎
  • デザイン企画(有償) ※受注案件毎
  • リフォーム加工(有償) ※受注案件毎 など

精度の高い時間管理方法

具体的には、エクセルを使用して日々の工数を入力します。早出や残業の勤怠時間と工数時間が一致すれば、精度の高い時間管理が可能となります。

販売員の新しいフローとして、次のようにします。

ジュエリーの販売(本社)

  1. 本社での売上と仕入れを集計
  2. 関連する販売員のかかった工数を集計
  3. 1から2の値を差し引き、日々の営業利益を算出

ジュエリーの販売(催事)

  1. 催事での売上と仕入れを集計
  2. 関連する販売員のかかった工数を集計
  3. 1から2の値を差し引き、日々の営業利益を算出

デザインやリフォームなどの受注

  1. 作業予定時間を記入
  2. 実際にかかった実績時間を記録

利益を最大化するための利益管理

月次の損益計算書だけでは決して見えないものが見えてきます。

  • 販売員1名毎の工数分析 (有償・無償) 販売員として、適切な工数とは何かを把握
  • 売上の構成割合分析 売上の要素毎の割合を把握
  • 顧客別売上分析 顧客別のジュエリーの販売利益、リフォームの獲得利益を把握
  • 販促活動(無償) 来店促進コストの把握
  • デザイン・リフォームの有償稼働の効率化 各案件毎の収益性や効率性を把握
  • ジュエリーの採算(本社)
  • ジュエリーの採算(催事)
  • リフォームの採算

これらを基に、利益の源泉は何かを把握することができます。

時間を意識した残業削減とサービス業における販売員の時間管理は重要です。

これによって、成果を見直し、利益意識を高めることができます。

会社ごとのカルチャーによってKPIの位置づけは異なりますが、販売業・サービス業において自身の工数を意識した利益管理が重要となります。

古谷 幸治

監修:古谷 幸治

公認会計士。大手監査法人、M&Aアドバイザリーファーム、外資系証券会社を経て独立。会計監査、買収合併の会計監査、IPO支援、内部監査支援を経験。証券会社では、上場・未上場企業双方の資金調達、合併買収の実行支援、財務モデルの構築からバリュエーションまで幅広く担当。キャピタルマーケットの経験を活かし、CFO経験も有する。

古谷公認会計士・税理士事務所