個別原価計算とは?未来の利益管理をするための基礎知識
目次
本稿の一つのテーマである「個別原価計算」は、先読みの利益管理をする上で重要なインプット要素であり、プロジェクト管理会計を運用する上で、避けては通れない基礎情報となります。
本ブログにて「プロジェクト管理会計」に関連するテーマを数回にわたり取り上げ、現実における問題点や理想とする管理・業務運用方法をご紹介します。
個別原価計算とは?
皆さんは、ご自身が勤めている会社が「個別原価計算」を実現しているか、把握されているでしょうか?把握されていない方は、是非自社の経理部門の方に確認をしてみてください。
「個別原価計算」とは、生産にかかった原価を受注ごとに集計する原価計算となります。
受注生産や見込み生産、ロット生産で、多品種少量の製品を生産する企業向けの計算方法です。
この個別原価計算を行う場合は、製造指示書や作業指示書によって生産する形式となります。受注ごとに原価を把握できるため、損得がすぐに分かるという利点があり、加えて以後の原価見積の基礎資料にすることができます。ただし、受注ごとに原価を把握する必要があるため、正確な情報収集に多くの時間と費用がかかるという欠点もあります。
「プロジェクト収支管理」は、現場が原価実績を把握して先読みの利益を管理するものです。
それに対し、「個別原価計算」は過去を経理の原則に従って管理します。
プロジェクト収支管理のレベル把握
「個別原価計算」を実現しながら「プロジェクト収支管理」を実現するには段階的なレベルがあります。以下にあげるレベル別に、コスト構造の把握がどの程度出来ているかを確認されるのも良いでしょう。
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原価コストは成り行き任せ、どんぶり勘定に近い。
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外注費、労務費などの計算はできるが、粗く信頼性は非常に低い。
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プロジェクト毎の原価実績資料が把握され、採算管理に活用されている。ただし、着地予想をけん制するような運営や精度に問題がある。
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個別原価計算を把握する仕組みが確立され、個別原価まで把握できている。
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個別に予算原価が設定され、プロジェクト毎に着地予想のコスト戦略推進・実施ができている。
厳密な原価計算を実現しながら、未来の利益管理をすることが重要なポイントです。
関連する用語(採算・原価・収益認識・工数)の定義は「プロジェクト会計 用語集」にまとめています。
監修:古谷 幸治
上場企業CFO。不動産デベロッパー・建設業・CM映像制作業を経て、2002年にITパッケージシステム会社「エンプレックス」に参画し取締役CFOに就任。2016年、大手芸能プロダクションの経営企画を経て株式会社プロジェクト・イノベーションを設立。不動産建設業の会計知識を土台に、映像制作・ソフトウェア開発/SI・ITサービス業での経営管理経験から「プロジェクト管理会計」の手法を体系化。コンサルティング先は200社超。