予実管理表エクセルテンプレート(無料)|プロジェクトの予定と実績を月別に比較【上場企業CFO監修】
目次
プロジェクト予実管理表(Excel テンプレート)を無料でダウンロードできます。 上場企業 CFO が監修したシートで、案件ごとに月別の「予定」と「実績」を並べて入力すると、利益と利益率が自動で計算されます。
テンプレートに入っているもの:
- 基本情報: プロジェクト名、プロジェクトコード、顧客、主管組織、担当者
- 予実管理表(12 か月 × 予定/実績): 売上、人件費(担当者別)、外注費(外注先別)、経費(費目別)。行は追加できます
- 自動計算: 支出合計、利益、利益率を予定・実績それぞれで計算(緑の背景部分)
- 使い方の手順: シート右上に記載。プロジェクトごとにシートをコピーして使います
中小企業や小規模事業者の経営者様、経理担当者様の中には、日々の業務に追われ、予実管理の重要性は感じつつも、なかなか最初の一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
- 「何から始めればいいかわからない」
- 「専門的な知識が必要そう」
- 「専用ソフトはコストがかかる…」
そんなお悩みを抱える皆様のために、すぐに始められる Excel 形式の予実管理表テンプレートをご用意しました。この記事では、予実管理を始めるメリット、テンプレートの使い方、入力のコツ、ズレを見つけたときの対処を解説します。
なぜ予実管理が必要なのか?~中小企業・小規模事業者の視点から~
そもそも、なぜ予実管理が重要なのでしょうか。
限られたリソースで事業を運営する中小企業や小規模事業者にとって、予実管理は健全な経営を支える欠かせないプロセスです。
- 資金繰りの安定化: 将来の収入と支出を予測することで、資金ショートのリスクを未然に防ぎ、安定した資金繰りを実現します。
- 経営目標の明確化と達成支援: 売上目標や利益目標を具体的な数値に落とし込み、計画的に事業を進めるための羅針盤となります。
- 問題点の早期発見と対策: 予算と実績を比較することで、計画とのズレを早期に発見し、迅速な対策を講じることができます。
- 的確な意思決定のサポート: 感覚だけに頼らない、データに基づいた客観的な経営判断が可能になります。
「難しそう」というイメージを一旦脇に置いて、まずは「やってみる」ことが大切です。
“予実管理”の経営における重要性については以下の記事も合わせてご覧ください。
予実管理表テンプレートの使い方
- プロジェクトごとにシートをコピーする。 1 契約 = 1 シートが基本です
- 基本情報を記入する。 プロジェクトコードの付け方は「最適なプロジェクトコードの付け方」を参照してください
- 「予定」列に受注時の見積を入れる。 売上は契約金額の計上月、人件費は見積工数 × 時間単価、外注費は発注予定額、経費は想定額です
- 「実績」列は月次の締めで入れる。 工数は日次で記録したものを月末に集計し、外注費は作業が発生した月に計上します
- 利益率の予定と実績を比べる。 実績の利益率が予定を下回る月は、人件費・外注費のどの行がずれたかを見ます
入力例
売上 150 万円の案件で、見積では人件費 50 万円・外注費 30 万円と見ていたが、実績は人件費 60 万円・外注費 30 万円だった月の例です。
| 項目 | 予定 | 実績 | 差異 |
|---|---|---|---|
| 売上 | 1,500,000 | 1,500,000 | 0 |
| 人件費 | 500,000 | 600,000 | +100,000 |
| 外注費 | 300,000 | 300,000 | 0 |
| 経費 | 20,000 | 25,000 | +5,000 |
| 利益 | 680,000 | 575,000 | ▲105,000 |
| 利益率 | 45.3% | 38.3% | ▲7.0pt |
人件費が予定を 20% 超えています。この段階で「残りの工数見込みも同じ比率で超えるのか」を担当者に確認し、着地の利益率を計算し直すのが予実管理の使い方です。
予実管理をスムーズに進めるための入力のコツ
テンプレートを効果的に使うために、入力時の簡単なコツを押さえておきましょう。
【予算入力のコツ】
- 現実的な数字で: 過去の実績を参考に、無理のない計画を立てる。
- シンプルに始める: 最初は費目を絞り、慣れたら細かくしていく。
- 予備費も忘れずに: 予期せぬ出費に備える。
【実績入力のコツ】
- こまめに入力: 週に一度など、ためずに記録する習慣を。
- 証拠は保管: 領収書や請求書は必ず確認・保管。
- ルール統一(複数人の場合): 誰が入力しても同じになるようにする。
【入力後の活用ポイント】
- 定期チェック: 月に一度は予算と実績のズレを確認。
- 「なぜ?」を考える: ズレの原因を分析し、次へ活かす。
- 継続が力: PDCAを回して、経営に役立てる。
これらのポイントを意識するだけで、予実管理がぐっと楽になり、効果も高まります。
予実のズレを見つけたときの対処
ズレは見つけて終わりではなく、原因を 3 つに分けて次の行動につなげます。
| 原因 | 典型例 | 対処 |
|---|---|---|
| 見積の粒度が粗い | 「開発一式 3 人月」で見積もり、内訳がない | 見積の項目と工数の記録区分を揃える。粒度の決め方は「プロジェクト収支は”粒度”で決まる!」を参照 |
| 仕様変更の無償対応 | 追加要望を都度受けて工数が膨らんだ | 変更管理のルールを決め、追加分は有償にするか予定に反映する |
| 進捗の遅れ | 想定より時間がかかっている | 残作業の見込みを更新し、着地の利益を計算し直す。赤字が見込まれるなら早期に交渉する |
予実管理の全体像と PDCA の回し方は「予算管理の基本とPDCAサイクルに基づく手順」、複数案件をまとめて管理する方法は「プロジェクト収支管理とは?進め方・計算例・Excelとの違いを実務で解説」で解説しています。
案件が 10 件を超え、入力者が 5 人を超えると、Excel の予実管理は集計が追いつかなくなります。その段階では、工数入力と予実の集計がつながった仕組みへの移行を検討してください。LEEAD は 30 日間無料で試せます。
よくある質問
- Q. 予実管理表と収支管理表の違いは何ですか?
- 収支管理表は実績だけを記録する表です。予実管理表は、同じ項目について「予定」と「実績」を月別に並べ、ズレを見るための表です。見積時に立てた予定と、実際にかかった費用を比べたいときは予実管理表を使ってください。
- Q. 「予定」にはどの数字を入れればよいですか?
- 受注時の見積(売上と、見積工数 × 時間単価の人件費、外注費、経費)を入れます。進行中に見積を見直した場合は、元の予定は残し、別の行やメモに改定後の見込みを記録すると、後でどこがずれたかを追えます。
- Q. 予定と実績のズレは、どのくらいなら問題ですか?
- 業種や案件によりますが、費用が予定を 10% 超えたら原因を確認し、20% を超えたら期末を待たずに対策を打つ、という目安で運用している会社が多いです。ズレ自体より、原因(見積漏れ、仕様変更、遅延)を特定して次の見積に反映することが重要です。
- Q. Google スプレッドシートでも使えますか?
- 使えます。Excel ファイルを Google ドライブにアップロードして開けば、合計と利益率の数式はそのまま動きます。
監修:塩塚 丁二郎
早稲田大学卒業後、野村総合研究所でSEとしてキャリアをスタート。2015年に独立し、IoTスタートアップ、音声アプリ開発を経て、PM支援・SI事業を軌道に乗せる。電子契約サービスCloudContractの実装、運用を手掛け、2020年からはプロジェクト会計・フォーキャストに特化したLEEADを運営。現在はDX・AI領域、カフェ店舗運営など、複数の事業を展開している。
株式会社ETVOX 塩塚 丁二郎