プロジェクト収支管理ツール比較 2026|board・プロカン・ZAC・freee販売・LEEAD は人件費まで見えるかで選ぶ
目次
プロジェクト収支管理ツールは、外注費を引いた粗利で足りるのか、社員の時間まで引いた採算を見たいのかで、価格帯も選ぶ製品も変わります。 検索で比較されることの多い board・プロカン・クラウドERP ZAC・freee販売と、弊社の LEEAD を、2026 年 9 月時点で各社が公式サイトに載せている料金と機能で並べました。
弊社は LEEAD の開発元です。他社については公式サイトの記載だけを根拠にし、LEEAD も同じ項目を同じ粒度で書きます。数字の出典は末尾にあります。
5 製品はこう分かれる
| 製品 | 何をする製品か | 合う会社 |
|---|---|---|
| board | 見積・請求と案件別の粗利をまとめて持つ販売管理型 | 数人から数十人。人件費は見ない。売上と外注費・仕入で粗利が分かればよい |
| プロカン | 案件別収支と工数管理の専用ツール | 制作・広告・IT の中小企業。工数を原価として集計したい |
| クラウドERP ZAC | 販売・購買・勤怠工数・経費・工程を束ねる ERP | 51 名以上。会計や購買の運用も一緒に作り直す体力がある |
| freee販売 | freee 会計と連携する案件別の販売管理 | すでに freee 会計を使っていて、案件粗利から始めたい |
| LEEAD | 案件別の収支・工数・着地見込みに特化したクラウド | 20〜300 名の受託・SES・コンサル・制作。工数と採算をつなげて月次で締めたい |
board の公式コラムがこの分け方をうまく説明しています。プロジェクト収支管理の方法を松・竹・梅の 3 段階に分け、松はプロジェクト管理ツールで進捗・工数・収支を一元管理、竹は管理会計で人件費や外注費を按分、梅は販売管理ツールで案件ごとの粗利を把握、とし、board 自身を梅に置いています。自社が梅で足りるのか、竹か松が要るのか。先にこれを決めると候補は 2 つか 3 つに減ります。
受託・SES・コンサルなら答えは決まっていて、梅では足りません。費用の大半が社員の時間だからです。
比較表
2026 年 9 月時点、各社公式サイトの記載。税抜。
料金と導入のしかた。
| 製品 | 公開料金 | 初期費用 | 無料期間 | 導入形態 |
|---|---|---|---|---|
| board | 月 1,200 円で 1 名から、月 7,900 円で 50 名まで。アカウント単位。51 名以上は 1 人 300 円/月 | 0 円 | 30 日 | セルフサーブ |
| プロカン | 月 30,000 円から。人数で変動 | 100,000 円から | 記載なし | 問い合わせ |
| クラウドERP ZAC | ライセンス料は機能と人数で決まり単価は非公開。保守 6 万円/月から | 初期設定 100,000 円。導入支援は条件つきで 0 円、それ以外は個別見積 | 記載なし | 問い合わせと個別見積 |
| freee販売 | スターター月約 5,000 円で 3 名、スタンダード月約 40,000 円で 10 名。年払い | 記載なし | あり。期間の記載なし | セルフサーブ |
| LEEAD | Light 月 4,500 円で 1 ユーザー・5 案件、Basic 月 16,500 円で 5 ユーザー・50 案件、Business 月 34,000 円でユーザー無制限・200 案件。年払い。月払いは 5,000 / 20,000 / 42,500 円 | 0 円 | 30 日 | セルフサーブ。営業を挟まず登録 |
何が見えるか。
| 製品 | 社員の工数を案件原価に配賦 | 進行中の着地見込み | 進行基準の売上計上 | 外注費・経費の案件紐づけ | CSV・会計連携 |
|---|---|---|---|---|---|
| board | できない。公式が明記 | 粗利の見込みは可。工数ベースの着地は対象外 | 記載なし | できる | あり |
| プロカン | できる。工数を原価として自動集計 | 予実管理あり | 記載なし | できる | 会計ソフト連携あり |
| クラウドERP ZAC | できる。勤怠・工数ライセンスで労務費を配賦 | 月中でも損益の着地見込みが出る | 工事進行基準に対応 | できる | あり |
| freee販売 | スタンダードに freee工数管理を別契約で連携すればできる | 案件別原価推移はスタンダード | 記載なし | できる | freee 会計と自動連携 |
| LEEAD | できる。工数と時間単価を掛けて案件月次の人件費に自動計上 | 計画・実績・見込みを案件月次で持つ | 自動算出 | できる | CSV 入出力。BI はオプション |
LEEAD のユーザー数はログインできる人数、案件数はアクティブ状態の案件を月ごとに数えます。Business プランは個別カスタマイズにも対応し、その分は内容に応じた見積になります。
表を読むときに 3 つ気をつけてください。
board の料金は 2026 年 1 月 29 日に上がりました。Personal 980 円が 1,200 円、Standard 3,980 円が 4,900 円、Premium 5,980 円が 7,900 円です。比較サイトには旧料金が残っているので、公式ヘルプで確かめたほうがいい。
freee販売の案件別人件費管理は、スタンダードプランを契約したうえで freee工数管理を別に契約し連携する前提です。freee工数管理は 2024 年 5 月末頃から収支管理機能を freee販売に集約する変更を進めており、旧プロジェクト管理freee の収支管理を使っていた会社は、この 2 製品構成に移るか、別製品に移るかを決めることになります。
ZAC は保守費だけで月 6 万円が最低ラインです。ライセンス単価は非公開なので、実際の月額はここに機能と人数の分が乗ります。
製品ごとの見どころと、向かない会社
board は粗利をいちばん安く早く見る

board 公式サイト https://the-board.jp/
見積書と請求書の発行と、案件別の売上・仕入・外注費が一体です。請求は出しているのに案件ごとの粗利が分からない会社なら、これが最短。50 名まで月 7,900 円、初期 0 円、30 日無料、営業なしで今日から使えます。
向かないのは、費用の大半が社員の時間である会社です。board の粗利は外注費と仕入を引いた粗利で、社員の工数は引かれていません。同じ粗利 100 万円の案件 A と B があって、A に 320 時間、B に 180 時間かかっていたら、採算は別物です。この差が気になり始めたら board の守備範囲を超えています。
プロカンは工数を原価にする専用ツールを中小の価格で

プロカン 公式サイト https://procan.co.jp/
IT・映像・広告・制作・建設向けの案件別収支ツールで、工数管理、外注費管理、見積と請求、電子承認、ダッシュボードまで 1 製品に入っています。公式サイトに、工数を原価として自動集計、と書いてあります。board では出ない人件費込みの採算が出ます。年間継続率 98% 以上を 2023 年 3 月から 2026 年 2 月の平均解約率から算出して公開しているのも判断材料です。
月 30,000 円からに初期設定費 100,000 円からが乗り、人数で変わります。無料期間の記載はなく、問い合わせから。営業と話す前に自分で触りたい人には合いません。
ZAC は会計・購買まで含めて入れ替える会社のもの

クラウドERP ZAC 公式サイト https://www.oro.com/zac/
プロジェクト型ビジネス向け ERP で、販売・購買・勤怠工数・経費・工程・経営モニタリングをライセンス単位で組みます。工数に応じた労務費の配賦、工事進行基準、月中の損益着地見込みまで揃っていて、5 製品で守備範囲は最も広い。導入事例は 51 名から 200 名以上が中心です。
代わりに、初期設定 10 万円、保守は月 6 万円から、ライセンスは機能と人数の個別見積で、無料期間はありません。機能が販売・購買・経費・工程まで広がる分、導入時に決めることも覚えることも多くなります。収支管理だけを直したい会社には重すぎます。販売・購買・会計の運用ごと作り直す会社なら候補です。
freee販売は freee 会計ユーザーが案件粗利から始めるとき

freee販売 公式サイト https://www.freee.co.jp/sales-management/
取引先・帳票・売上・仕入が freee 会計と自動で連携するので、経理の二重入力が起きません。スターターは 3 名で月約 5,000 円、これでも案件別の粗利は出ます。案件別の原価推移と人件費管理はスタンダードで、10 名で月約 40,000 円。人件費は freee工数管理を別契約で連携します。
工数まで含めた採算を freee で見るには、freee販売スタンダードと freee工数管理の 2 製品構成です。freee で全部そろえたい会社には自然な選択で、収支管理だけを軽く入れたい会社には大きい。
LEEAD は工数と採算をつなげて月次で締める

LEEAD 公式サイト https://leead.com/
案件別の収支に特化したクラウドで、売上・人件費・外注費・経費・工数を案件と月で持ち、計画・実績・着地見込みを同じ表で更新します。工数は時間か人月で入力し、役職別か個人別の時間単価と掛けて人件費として案件に自動計上します。進行基準の売上算出、月次の一括締め、CSV 入出力、オプションの BI ダッシュボード。営業を挟まずに登録して 30 日間無料です。
料金は 3 段階で初期費用はありません。Light は年払いで月 4,500 円、ログインできるのは 1 人、アクティブな案件は月 5 件まで。経理か管理者が 1 人で回す会社向けです。Basic は月 16,500 円で 5 ユーザー・50 案件。Business は月 34,000 円でユーザー無制限・200 案件。工数を現場全員に入れてもらう運用は Business が前提になります。月払いはそれぞれ 5,000 円、20,000 円、42,500 円です。
合うのは、20〜300 名で協力会社や SES 要員が混在し、Excel か汎用ツールの流用で案件収支を回してきた受託・SES・コンサル・制作の会社です。導入事例では、Excel で案件ごとに別シートを管理していた 51〜100 名の IT 企業が締め作業を従来の 5 分の 1 程度に縮め、他社ツールの収支管理機能終了を機に移った 51〜100 名のコンサル企業が工数管理と損益管理を両立させています。
弱いところも書いておきます。ZAC のような購買・在庫・工程管理はありません。粗利だけ見たい会社には board のほうが安い。Light と Basic はユーザー数に上限があるので、現場全員に工数を入れてもらうなら Business になり、月 34,000 円は board の Premium の 4 倍以上です。
5 つの質問で候補を絞る
- 費用の大半は社員の人件費か。そうなら、工数を原価に配賦できる製品に絞る。プロカン、ZAC、LEEAD、または freee販売と freee工数管理。そうでなければ board か freee販売スターターで足ります。
- 進行中の案件の着地見込みを毎月更新したいか。したいなら、計画・実績・見込みを別々に持てる製品。完了後の集計だけなら販売管理型でよい。
- 会計・購買・在庫も一緒に入れ替えるか。入れ替えるなら ZAC。入れ替えないなら、収支管理に特化した製品のほうが定着が早い。
- 営業を挟まずに試したいか。試したいなら board、freee販売、LEEAD。初期費用なしで始められるのもこの 3 つです。要件定義から一緒に入りたいならプロカン、ZAC。
- 入力するのは誰か。経理 1 人なら機能の多さで選んでいい。現場全員が工数を入れるなら、入力が続く軽さを最優先にして、無料期間中に現場 3 人に 2 週間入れてもらってから決める。
5 番が一番効きます。機能表で選んで現場が入力をやめた会社を、弊社は何社も見てきました。
Excel のままでよい会社、移るべき会社
同時進行の案件が 10 件未満、工数を入力する人が 5 人未満なら、Excel で月次は締められます。弊社の CFO 監修 プロジェクト収支管理テンプレート を使えば、売上・人件費・外注費・経費を案件と月で並べる表はすぐ作れます。
締めが翌月 10 日を過ぎる、数式が壊れて担当者しか直せない、Excel と請求書の数字が合わない。どれか 1 つでも起きていたら移るときです。プロカンが 2022 年にプロジェクト型事業の中小企業経営者 103 名に聞いた調査では、収支管理を Excel で行う会社が 65.0%、不満の 1 位は管理が煩雑で 43.3%、2 位はミスや記入漏れで 35.8% でした。クラウドを入れない理由の 1 位はコストで 50.7%。ところが入れた会社の 73.9% は費用対効果を実感していると答えています。コストの不安を一番安く解消する方法は、まず 30 日だけ現場に入れてもらうことです。
まとめ
外注費を引いた粗利で足りるなら board。社員の時間まで引いた採算を見たいなら、プロカン、ZAC、LEEAD、または freee販売と freee工数管理の組み合わせから、無料期間中に現場が入力を続けられたものを選ぶ。会計や購買まで一緒に入れ替えるなら ZAC。
LEEAD は初期費用なし、月 4,500 円から、営業とのやり取りなしで 30 日間無料で使えます。プロジェクト収支管理そのものの考え方は「プロジェクト収支管理とは?進め方・計算例・Excelとの違いを実務で解説」に、時間当たりの採算の見方は「採算管理とは?」に書きました。
出典
2026 年 9 月 29 日に確認。
- board「boardのご利用料金について」https://the-board.jp/helps/help_about_price/ 、「料金の改定について(2026年1月29日より)」https://the-board.jp/blogs/news_price_changes_202601/ 、「プロジェクト収支管理の松竹梅」https://the-board.jp/solutions/takeuchi-project-profit-management/
- プロカン 料金 https://procan.co.jp/price/ 、製品トップ https://procan.co.jp/
- 株式会社オロ「クラウドERP ZAC 価格体系」https://www.oro.com/zac/detail/price.html 、「プロジェクト収支管理システム ZAC」https://www.oro.com/zac/introduce/project.html
- freee販売 料金プラン https://www.freee.co.jp/sales-management/pricing/ 、製品トップ https://www.freee.co.jp/sales-management/ 、freee ヘルプセンター「freee工数管理の提供機能変更について」https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/18324117346073
- 株式会社シービーティー「プロジェクトの収支管理、65.0%が未だに『Excel』」PR TIMES 2022 年 8 月 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000097682.html
- LEEAD 料金 https://leead.com/ 、導入事例 https://leead.com/usecase/apollosystem/ 、https://leead.com/usecase/intrix/
よくある質問
- Q. プロジェクト収支管理ツールの相場はいくらですか?
- 公開料金で見ると、粗利だけ見る販売管理型は board が月額 1,200〜7,900 円でアカウント単位。工数を原価として集計する製品は、LEEAD が月額 4,500 円からで初期費用なし、プロカンが月額 30,000 円からで初期費用 10 万円から。ERP 型の ZAC は初期 10 万円に保守 6 万円からとライセンス料が乗ります。ユーザー数課金の freee販売はスタンダードで 10 名月約 40,000 円です。同じ工数配賦ができる製品でも、月額の幅は 4,500 円から数十万円まで開いています。
- Q. Excel から移行する目安はありますか?
- 同時に動く案件が 10 件、工数を入力する人が 5 人を超えたあたりです。ここを超えると月次の集計が翌月 10 日を過ぎ、数式が壊れ、担当者しか触れないファイルになります。締めが遅れている会社は、機能の多さではなく入力が続く軽さで選んでください。
- Q. board で人件費の管理はできますか?
- できません。board の公式コラム自体が、人件費や細かい費用の按分まではできないが案件単位の損益をつかむには十分、と説明しています。売上に仕入と外注費を紐づける粗利の管理が守備範囲です。社員の工数を原価に入れたいなら、プロカン・ZAC・LEEAD のように工数入力を持つ製品か、freee販売スタンダードと freee工数管理の組み合わせになります。
- Q. 無料で試せる製品はありますか?
- board と LEEAD は 30 日間無料で、どちらも営業を挟まず自分で登録して始められます。freee販売はメールアドレスだけで試用できますが、期間は公式ページに書かれていません。プロカンと ZAC は公式サイトに無料期間の記載がなく、問い合わせから始まります。
- Q. 受託開発や SES の会社はどれを選ぶべきですか?
- 売上が人月と単価、原価が要員の時間単価で決まる業態なので、工数を入力して人件費を案件原価に配賦できる製品以外は候補から外していいです。協力会社や SES 要員が混在する会社は、社員と外部要員を同じ表で扱えるか、請負と準委任で見る指標を分けられるかを無料期間中に確かめてください。
監修:塩塚 丁二郎
早稲田大学卒業後、野村総合研究所でSEとしてキャリアをスタート。2015年に独立し、IoTスタートアップ、音声アプリ開発を経て、PM支援・SI事業を軌道に乗せる。電子契約サービスCloudContractの実装、運用を手掛け、2020年からはプロジェクト会計・フォーキャストに特化したLEEADを運営。現在はDX・AI領域、カフェ店舗運営など、複数の事業を展開している。
株式会社ETVOX 塩塚 丁二郎