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収益認識基準とは?工事進行基準に代わる会計基準を解説

本稿のテーマである「収益認識基準」は、事業推進を担うマネージャーや経営者にとって重要な内容です。

本ブログにて「収益認識基準」に関連するテーマを取り上げ、現実における問題点や理想とする管理・業務運用方法をご紹介します。

工事進行基準とは?

2021年4月から「工事進行基準」が廃止された事は皆さんご存知でしょうか?

受託ソフトウェア開発業での工事進行基準では、プロジェクトの進捗度に応じて収益や費用が計上されます。ここでは、売上の総額や原価の総額を信頼性の高いレベルで見積もっていくことが重要でした。

この工事進行基準への動きの理由としては、国際会計基準という背景がありました。

海外では「工事進行基準」はスタンダードではありますが、本当に開発の進捗度がキチンとはかれているのかは疑問が残るところです。

国際会計基準の目的として、投資活動のグローバル化が進んだ上で、海外の投資家が日本企業と欧米企業の財務を比較しやすくしようとする動きがありました。

工事進行基準の売上進捗率をはかる方法としては、二つあります。

「総原価法」「総時間法」です。

知り合いのシステム開発会社では、総時間法で行っていたのですが、この総時間を把握するには、かなりきめ細かいプロジェクト時間管理が必要です。

ちなみに私が以前在籍していた建設会社では、総原価法を採用していました。案の定、原価を小さく見積もることで、売上を早期計上するトリックが問題視されました。工事進行基準を適用する場合は、原価を正しく見積もることが前提となっています。

大きな事例で言えば、東芝が行った工事進行基準による売上計上不正。国際会計基準の中で、スタートした「工事進行基準」でしたが、進捗度を確認することができず廃止になってしまった背景がここにあります。

収益認識基準とは?

今後は「工事進行基準」に代わり、収益認識に関わる会計基準、「収益認識基準」が適応されます。収益認識基準は工事進行基準よりさらにわかりにくいルールなので、前もってしっかり学んでおくことが必要です。

以下、2018年3月、企業会計基準委員会が発表した内容になります。

収益認識基準を理解するには、5つのステップを抑えることが大切です。

1) 顧客との契約を識別する

本会計基準の定めは、顧客と合意し、かつ、所定の要件を満たす契約に適用する。

ステップ1では、どのような契約なのか、契約者や契約内容を識別します。この時、書面での契約だけでなく口頭でのやり取りも範囲内とします。

2) 契約における履行義務を識別する

契約において顧客への移転を約束した財又はサービスが、所定の要件を満たす場合には別個のものであるとして、当該約束を履行義務として区分して識別する。

ステップ2では、具体的にどのような義務が発生するのか、どのような財・サービスを提供するのかを明らかにします。

3) 取引価格を算定する

変動対価又は現金以外の対価の存在を考慮し、金利相当分の影響及び顧客に支払われる対価について調整を行い、取引価格を算定する。

ステップ3では、取引の金額を明らかにします。2で確認した内容を受けて、それに対してどのくらいの対価が生まれるのかがポイントです。

4) 契約における履行義務に取引価格を配分する

契約において約束した別個の財又はサービスの独立販売価格の比率に基づき、それぞれの履行義務に取引価格を配分する。独立販売価格を直接観察できない場合には、独立販売価格を見積る。

ステップ4では、どのような履行義務に対して、どのくらいの取引価格がつけられているのか、その配分を明確にします。建設業では例えば家を一軒立てるにしても、地面をならしたり電気工事をしたりなど、様々な作業が発生します。それらに対してどういった配分がなされるかを確認します。

5) 履行義務を充足した時に又は充足するにつれて収益を認識する

約束した財又はサービスを顧客に移転することにより履行義務を充足した時に又は充足するにつれて、充足した履行義務に配分された額で収益を認識する。履行義務は、所定の要件を満たす場合には一定の期間にわたり充足され、所定の要件を満たさない場合には一時点で充足される。

ステップ5では、計上のタイミングを定めます。工事が完了してから一度に支払うのか、工事進行基準のように数回にわたって計上するのかなど取り決めます。

ここで重要なポイントは、クライアントとの契約をフェイズ毎に切り分けることができるか、要件定義・基本設計・詳細設計・各開発・保守など基本契約をベースとして、各個別契約書に落とし込むことが大事です。

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